瓦屋根の漆喰とはどこの部分?剥がれると雨漏りする?役割と補修の目安
2026年6月17日更新
Contents
「訪問業者から漆喰(しっくい)が剥がれていると言われた」
「庭に白いかけらが落ちていた」
「漆喰が傷んでいると雨漏りするの?」
このような疑問をお持ちではありませんか?
瓦屋根のメンテナンスについて調べていると、「漆喰補修」という言葉を目にすることがあります。
しかし、漆喰がどこに使われているのか、どのような役割があるのかまで詳しく知っている方は多くありません。
実際の現場でも、屋根点検や雨漏り調査の際に漆喰の劣化が見つかることがあります。
ただし、漆喰が少し欠けているからといって、すぐに雨漏りするとは限りません。
今回は、瓦屋根に使われる漆喰の役割や、剥がれた場合に起こるリスク、補修が必要なタイミングについて分かりやすく解説します。
瓦屋根の漆喰とは?
漆喰と聞くと、住宅の塗り壁や和風建築の白い壁を思い浮かべる方もいるかもしれません。
実際、屋根に使われる漆喰も石灰を主成分とした材料で、壁に使われる漆喰と同じ仲間です。
ただし、屋根の場合は見た目を整えることが目的ではありません。
瓦屋根の棟(むね:屋根の頂上部分)に施工されていて、内部にある葺き土(ふきつち:瓦を固定するために使われる粘土)や下地材を保護するために使われています。
漆喰はその内部が露出しないよう表面を覆うとともに、瓦同士の隙間を埋める役割も担っています。
普段は地上から見えにくい部分ですが、瓦屋根を維持するうえで欠かせない材料のひとつです。
そのため、漆喰が劣化すると見た目だけでなく、棟全体の状態にも影響を及ぼす場合があります。
現在でも和瓦の住宅では広く使われている材料であり、定期的なメンテナンスによって屋根を長持ちさせることにつながります。
漆喰にはどんな役割がある?
棟内部を保護する
漆喰の大切な役割のひとつが、棟の内部を保護することです。
棟の中には葺き土などが使われていますが、そのままでは雨風の影響を受けやすくなります。
そこで漆喰によって表面を覆うことで、内部の土が流れ出るのを防ぎ、棟の形状を維持しやすくしています。
雨水や風の影響を受けにくくする
棟は屋根の中でも高い位置にあるため、風や雨の影響を受けやすい場所です。
漆喰が健全な状態であれば、棟内部へ雨水が入り込みにくくなり、内部の劣化を抑えることにつながります。
ただし、漆喰だけで防水しているわけではありません。瓦や下地、防水紙など複数の部材が組み合わさることで屋根全体の防水性が保たれています。
棟瓦の安定性を保つ役割もある
漆喰がしっかり施工されていることで、棟まわりの安定性にもつながります。
もちろん漆喰だけで瓦を固定しているわけではありませんが、劣化が進むと棟全体のバランスへ影響する場合もあります。
そのため、見た目以上に重要な材料と言えるでしょう。
漆喰が劣化する原因
経年劣化や環境の影響
漆喰は長期間にわたって雨風や紫外線の影響を受け続けるため、少しずつ劣化していきます。
特に築年数が経過した住宅では、表面にひび割れが発生したり、一部が欠けたりすることがあります。
また、台風や強風による揺れ、地震による振動などがきっかけとなって傷みが進行する場合もあります。
寒冷地では凍結と乾燥の繰り返しによって劣化が進むこともありますが、長年にわたる雨水の影響によって少しずつ傷みが蓄積していくということも少なくありません。
住宅によって劣化スピードは異なる
漆喰そのものだけではなく、棟内部の状態変化によって表面の剥がれが発生することもあります。
そのため、見えている部分だけで状態を判断するのが難しい場合もあります。
また、漆喰の劣化スピードは住宅によって異なります。
例えば、海沿いの地域では潮風の影響を受けやすく、強風が吹きやすい地域では棟部分への負担が大きくなることがあります。
周囲に樹木が多い住宅では、落ち葉や湿気の影響を受けやすい場合もあります。
さらに、過去に漆喰補修や棟のメンテナンスを行っているかどうかによっても状態は変わります。
そのため、築年数だけで判断することは難しく、実際には屋根の状態を確認しながら判断することが大切です。
漆喰が剥がれると棟全体にどんな影響がある?
結論から言うと、漆喰が少し欠けただけで直ちに雨漏りするとは限りません。
漆喰は屋根を構成する材料のひとつであり、防水機能のすべてを担っているわけではないためです。
そのため、表面が一部剥がれていても、すぐに室内へ雨水が入るケースはそれほど多くありません。
だからといって放置して良いわけでもありません。
漆喰が劣化すると、まず棟内部の葺き土が露出しやすくなります。
さらに雨風の影響を受け続けることで、土の流出や下地の傷みにつながることがあります。
また、棟内部の葺き土や下地が傷むことで、棟瓦の安定性が低下し、瓦のズレや歪みが発生する場合もあります。
実際の現場でも、「漆喰の剥がれだけだと思っていたら、棟全体の補修が必要な状態だった」というケースは珍しくありません。
こうした状態を放置すると、最終的には雨水が内部へ入り込みやすくなり、雨漏りや棟の積み直し工事につながる可能性もあります。
そのため、漆喰の剥がれを見つけた際は、雨漏りの有無だけで判断するのではなく、棟全体の状態を確認することが大切です。
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ホームテックワンで行った瓦屋根工事の中にも、漆喰の劣化や瓦のズレが見られた事例があります。 |
こんな症状があれば点検を検討しましょう
漆喰の劣化は、完全に剥がれ落ちてしまう前にサインが現れることがあります。
例えば、次のような症状が見られる場合は、一度状態を確認しておくと安心です。
・漆喰にひび割れがある
・漆喰が剥がれている
・棟瓦がズレて見える
・屋根から落下物があった
・雨漏りが発生している
特に棟瓦のズレを伴う場合は、漆喰だけではなく棟内部や下地にも影響が及んでいる可能性があります。
また、目立った症状がなくても、築10~15年以上が経過している場合や、長期間点検を行っていない場合は、一度状態を確認しておくと安心です。
ただし、屋根の上に登ってご自身で確認することはおすすめできません。
瓦屋根は見た目以上に滑りやすく、高所作業には転落の危険があります。また、歩き方によっては瓦を傷めてしまう可能性もあります。
地上から双眼鏡などで確認できる場合もありますが、漆喰の状態までは判断が難しいことがほとんどです。
気になる症状がある場合は、専門業者へ相談することをおすすめします。
漆喰補修はどんな工事をする?
漆喰補修と聞くと、「剥がれた部分に新しい漆喰を塗るだけ」と思われる方もいるかもしれません。
しかし実際の工事では、まず既存の漆喰の状態を確認し、劣化している部分を取り除いてから新しい漆喰を施工していきます。
また、漆喰だけでなく棟瓦のズレや浮きがないか、棟全体に歪みが出ていないかもあわせて確認します。
漆喰工事は、屋根の状態によって工事内容が変わります。
| 状態 | よく見られる症状 | 主な対応 |
|---|---|---|
| 比較的軽微な劣化 | ひび割れ・一部の剥がれ | 漆喰補修 |
| 漆喰の劣化+瓦のズレ | 漆喰の剥がれ・棟瓦のズレや浮き | ズレ戻し+漆喰補修 |
| 棟内部まで劣化 | 漆喰の大きな欠損・棟の歪み・葺き土や下地の劣化 | 棟の積み直し |
※棟の積み直しとは、一度棟瓦を取り外し、内部の葺き土や下地を整えたうえで積み直す工事です。
漆喰補修より工事規模は大きくなりますが、棟全体の状態を改善できるメリットがあります。
漆喰の劣化が見られても、必ずしもすぐに大掛かりな工事が必要になるわけではありません。
まずは現地調査を行い、棟全体の状態を確認したうえで適切なメンテナンス方法を選ぶことが大切です。
ホームテックワンでは、漆喰補修のご相談をいただいた際は、見えている漆喰だけでなく棟瓦や下地の状態も確認しながらご提案を行っています。
| なお、近年の屋根工事では、従来とは異なる、南蛮漆喰などの材料を使用した工法が採用されることもあります。 こうした工法は耐震性や施工性、メンテナンス性を考慮して選ばれることがありますが、どの工法が適しているかは屋根の状態や補修範囲によって異なります。 ▶︎瓦屋根・漆喰工事の工事内容と費用について詳しく見る |
定期的な点検がおすすめです
漆喰は地上から確認しにくく、気づかないうちに劣化が進行していることがあります。
また、「漆喰が原因だと思っていたら別の場所だった」「雨漏り調査で漆喰の劣化が見つかった」ということもあるため、小さな不具合のうちに対応できるよう、定期的な点検をおすすめします。
特に瓦屋根は地上から状態を確認しづらく、漆喰の劣化も気付きにくい部分です。
普段の生活の中で異変に気付く機会が少ないため、気になる症状がなくても定期的に状態を確認しておくことで、将来的な補修費用を抑えられる場合もあります。
また、点検を依頼する際は信頼できる専門業者を選ぶことが大切です。
突然訪れた業者から「漆喰が剥がれています」「このままだと雨漏りします」と指摘された場合も、その場で契約するのではなく、まずは現在の状態を確認することが大切です。
屋根は地上から確認しづらいため、不安になってしまうかもしれません。
しかし、実際には漆喰だけでなく、棟瓦や下地の状態まで確認しなければ適切な補修方法は判断できません。
可能であれば、どの部分にどのような劣化が見られるのか写真を見せてもらい、説明を受けるようにしましょう。
また、一社だけで判断せず、別の業者にも相談することでより安心して工事を検討できます。
ホームテックワンでは、瓦屋根の漆喰補修をはじめ、屋根全体の点検や雨漏り調査も行っております。
瓦屋根の状態が気になる方や、訪問業者から指摘を受けた方もお気軽にご相談ください。
▶︎雨漏り調査について詳しくはこちら
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