屋根リフォームで換気棟は必要?夏の熱気を逃がす仕組みと設置の注意点

2026年8月25日更新

屋根リフォームで換気棟は必要?夏の熱気を逃がす仕組みと設置の注意点

「冷房をつけているのに、2階だけなかなか涼しくならない」
「夜になっても寝室に熱がこもっている」
「屋根をリフォームするなら、暑さ対策も一緒にできないの?」

夏になると、このようなお悩みが増えてきます。

日差しをまともに受ける屋根は、夏になるとかなり熱くなります。
その熱が屋根裏にたまり、天井を通して室内へ伝わると、2階やロフトがむっとするような暑さになることも。

冷房の設定温度を下げても、なかなか快適にならないわけです。
そこで知っておきたいのが「換気棟」です。

換気棟は、屋根のいちばん高い部分から屋根裏の熱気や湿気を外へ逃がすための部材。
ホームテックワンでも、屋根カバー工事や葺き替え工事の際、建物の状態に合わせて設置しています。

今回は、換気棟の仕組みやメリット、屋根リフォームで設置するときの注意点についてご紹介します。

 

夏に2階や屋根裏が暑くなるのはなぜ?

屋根に降りそそぐ真夏の太陽

真夏の屋根には、朝から強い日差しが当たり続けます。
日射を受けた屋根材の温度が上がると、その熱は屋根の内側へ伝わります。
屋根と2階の天井との間にある「小屋裏」や「屋根裏」と呼ばれる空間にも熱が入り、逃げ場が少なければどんどんたまっていきます。

暖かい空気には上へ移動する性質があります。
室内から上がってきた熱も加わるため、屋根裏は住宅の中でも特に熱がこもりやすい場所です。

現場から届く屋根裏の写真を整理していると、見た目以上に閉ざされた空間だと感じます。
窓を開けて風を通せる部屋とは違い、空気の出入り口が足りなければ、熱も湿気もその場に残ってしまいます。

 

屋根に近い部屋ほど影響を受けやすい

屋根の熱は、野地板や屋根裏の空気、断熱材、天井を経て室内へ伝わります。
1階より2階が暑くなりやすいのは、暖かい空気が上に集まることに加え、屋根からの熱を受けやすい位置にあるためです。

屋根のすぐ下にあるロフトや勾配天井の部屋では、暑さをいっそう強く感じることもあります。
ただし、「2階が暑い=すべて屋根のせい」とは限りません。

西日が入る大きな窓、断熱材の状態、間取り、建物の向き、冷房設備なども関係します。
屋根だけを工事すれば必ず解決する、という単純な話ではないのです。

まずは、どこから熱が入り、どこにこもっているのかを見る必要があります。

 

湿気がこもりやすい

屋根裏で気をつけたいのは暑さだけではありません。

室内で発生した水蒸気も、暖かい空気とともに上へ移動します。
湿気を外へ排出できない状態が続けば、屋根裏の木材や断熱材が湿り、結露やカビが発生しやすくなります。

木材が長い間湿った状態になると、野地板や屋根を支える下地の傷みも心配です。
普段は見えない場所なので、室内に症状が出るまで気づかないことも珍しくありません。

暑さ対策というと、つい「室温を下げること」だけに目が向きます。
換気棟は、屋根裏の湿気を逃がし、建物を内側から守る役割も担っています。

 

屋根裏の熱気を逃がす「換気棟」とは?

屋根に設置された換気棟

「棟」とは、屋根面が合わさる頂上部分のことです。
一般的なスレート屋根や金属屋根では、この部分に棟板金が取り付けられています。

換気棟は、棟板金に換気機能を持たせた部材です。
「棟換気」と呼ばれることもありますが、どちらも屋根裏を換気するための部材を指します。

屋根裏にたまった暖かい空気を屋根の頂上から外へ排出するのが換気棟の仕組みです。

モーターや換気扇を使うのではなく、空気の温度差などを利用して自然に換気します。
電気を使わない自然換気なので、稼働させるための電気代はかかりません。。

 

空気の入口と出口がそろって換気できる

換気棟を設置すれば、それだけで屋根裏の空気がどんどん入れ替わると思われるかもしれません。
実は、換気棟だけでは十分な空気の流れをつくれない場合があります。

屋根裏を換気するには、外の空気を取り込む「入口」と、熱気や湿気を排出する「出口」の両方が必要です。
一般的には、軒裏に設けた換気口などから外気を取り込み、屋根裏を通った空気を換気棟から排出します。

イメージとしては、部屋の換気と同じです。
出口だけ開けても、空気が入ってくる場所がなければうまく流れませんよね。
軒裏から棟へ向かう空気の通り道ができて、初めて換気棟が働きます。

 

雨が入らないように工夫されている

屋根の頂上に隙間をつくると聞くと、「そこから雨が入らないの?」と心配になる方もいるでしょう。
換気棟は、空気を通しながら雨水の浸入を防ぐ構造になっています。

外から吹き込んだ雨が、そのまま屋根裏へ流れ込むような単純な開口ではありません。
とはいえ、防水性能を備えた製品を使えば、施工方法は何でもよいわけではないのです。

換気のために野地板を開口する位置や幅、下葺き材の処理、換気棟の固定方法が適切でなければ、十分な換気量を確保できなかったり、雨漏りの原因をつくったりするおそれがあります。

特に棟は、雨や風を受けやすい場所です。
屋根の形状と製品の施工仕様を確認し、雨仕舞いまで考えて取り付ける必要があります。

 

換気棟だけで涼しくなる?屋根の暑さ対策を比較

遮熱塗装のイメージ

換気棟には屋根裏の熱気を排出する働きがあります。
ただ、設置しただけで冷房のように室温を大きく下げられる設備ではありません。

夏の暑さ対策には、屋根へ入る熱を減らす方法、室内へ熱を伝えにくくする方法、たまった熱を逃がす方法があります。
それぞれ役割が違うため、建物の状態に合わせて組み合わせます。

暑さ対策 主な役割
遮熱塗装 太陽光を反射し、屋根表面の温度上昇を抑える
断熱材 屋根や天井から室内へ熱が伝わるのを抑える
換気棟・軒裏換気 屋根裏にたまった熱気や湿気を外へ排出する
通気層を設ける屋根工法 屋根材の内側に空気の通り道をつくる
屋根カバー工法・葺き替え 屋根材や下地を含めて暑さ対策を検討する

 

遮熱塗装との違い

遮熱塗装は、太陽光を反射し、屋根材の表面温度が上がりにくくなるようにするものです。
屋根へ入ってくる熱を減らす、いわば入口側の対策と考えると分かりやすいでしょう。

換気棟は、すでに屋根裏へ入った熱気を外へ逃がすための設備です。
どちらか一方が優れているのではなく、働く場所が違います。屋根材の状態がよく、塗り替えが可能なら遮熱塗装を検討できます。

屋根のカバー工事や葺き替えが必要な時期なら、換気棟や断熱材を含めて屋根全体を見直す選択肢も出てきます。
遮熱塗料と断熱塗料の違いについては、こちらもあわせてご覧ください。
▶︎暑い夏を乗り切るには、屋根塗装がおすすめ!遮熱・断熱塗装を解説

断熱材との違い

断熱材は、屋根や屋根裏の熱が室内へ伝わるのを抑えます。

換気棟が熱を外へ出す役なら、断熱材は室内との間に壁をつくる役、といったところでしょうか。
目的が違うため、片方だけあればよいとは言い切れません。

断熱材がずれている、厚みが足りない、湿気を含んでいる場合は、本来の性能を発揮しにくくなります。
築年数が経った住宅では、屋根工事のタイミングで小屋裏の状態を確認し、必要に応じて断熱も見直します。

 

換気棟は屋根工事と一緒に検討しやすい

換気棟は既存屋根へ後付けできる製品もあります。
ただし、暑さが気になるからと、換気棟だけを急いで取り付けるのが最適とは限りません。

換気棟の設置では、屋根の棟部分を外し、野地板に換気用の開口を設けます。
既存屋根の劣化が進んでいる場合、部分的な工事だけでは十分な改善にならないこともあります。

ホームテックワンでは、屋根カバー工法や葺き替え工事に合わせて換気棟を設置した実績があります。
過去の施工事例をご覧いただき、どんな工事になるか参考になさってください。
▶︎東京都杉並区・A様|屋根重ね葺き・外壁塗装・室内リフォーム工事

 

屋根リフォームで換気棟を設置するときの注意点

屋根点検の様子

換気棟は、屋根裏の熱気や湿気を逃がすのに役立つ部材です。
とはいえ、どの住宅にも同じ製品を同じ長さだけ取り付ければよい、というものではありません。

屋根の形、天井面積、既存の換気口、断熱方法を確認したうえで設計します。

 

屋根の形によって設置方法が変わる

切妻屋根、寄棟屋根、片流れ屋根では、棟の長さや空気が集まる位置が違います。

棟が短い屋根や、一般的な換気棟を設置しにくい形状では、屋根面に取り付ける換気部材など、別の方法を検討する場合があります。
太陽光パネルが載っている屋根では、パネルの配置や配線との取り合いも確認が必要です。

見た目が似た住宅でも、屋根の中まで同じとは限りません。

必要な換気量を計算し、屋根に合う部材を選びます。

 

空気の入口が確保されているか

換気棟を取り付ける前に確認したいのが、外気を取り込む入口です。
軒裏に換気口があっても、断熱材やホコリで内側が塞がれていれば、十分に空気を取り込めません。
軒の出がない住宅では、一般的な軒裏換気を設けられない場合もあります。

換気棟だけを見るのではなく、

・軒裏などに吸気口があるか
・吸気口が塞がれていないか
・空気が棟まで通れる構造か
・必要な換気面積を確保できるか

といった点も確認します。

 

施工後の雨仕舞いも重要

換気棟の取り付けでは、屋根下地を開口します。
ここが通常の棟板金交換とは大きく違うところです。

開口寸法が小さすぎれば、必要な換気量を確保できません。
広げすぎたり、防水シートの処理が不十分だったりすると、雨水の浸入が心配です。

「換気棟が付いている」という見た目だけでは、施工状態まで判断できません。
使用する製品名や設置位置、必要な長さを事前に説明してもらい、施工中の写真も残してもらうと安心でしょう。

 

屋根の暑さや換気が気になったらご相談ください

換気棟は、屋根裏にたまった熱気や湿気を外へ逃がすための部材です。
夏の暑さ対策だけではなく、結露や屋根下地の傷みを抑えるうえでも役立ちます。
空気の入口がなければ十分に働かないため、軒裏換気や屋根内部の通気も一緒に考えなくてはなりません。

ホームテックワンでは、現在の屋根材や小屋裏の状態を確認し、屋根カバー工法や葺き替え工事に合わせた換気棟の設置をご提案しています。

「2階だけ暑いのが気になる」
「屋根を新しくするなら、換気も見直したい」
「自宅の屋根に換気棟を付けられるのか知りたい」

まだ工事内容が決まっていなくても大丈夫です。
屋根の形や傷み具合を見ながら、今のお住まいに合う方法を一緒に考えます。

屋根の暑さ対策や換気棟について気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

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