購入後の中古マンションで雨漏りがあった場合は売主に責任があるのか

2021年4月27日更新

中古マンションや中古住宅を購入した後に雨漏りが発覚した場合「売主に修理費用を払ってもらえるの?」といった疑問を持っている人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、中古マンション購入後に雨漏りが発覚した場合の売主の責任の有無についてまとめました。
マンションの購入を検討している方やマンションを購入したばかりの方は、参考にしてみてください。

 

中古住宅の雨漏りの責任は誰にあるのか

中古住宅購入後に雨漏りが発覚するケースは珍しくありません。
ここでは、雨漏り発覚時の責任は誰にあるのか、修理費用は誰が負担するのか解説します。

 

瑕疵担保責任がある場合は売主に責任がある

物件購入時に事前に雨漏りに関する説明を受けている、契約書に瑕疵担保免責が明記されているといったことがなければ、売主に対して雨漏りの修理費用や損害賠償を請求できます

 

瑕疵とは傷や欠点を意味する言葉であり、瑕疵担保責任とは、中古住宅に瑕疵があり、その瑕疵を買主が把握していない場合に買主に課される責任のことです。
なお、修理費用や損害賠償の請求は、買主が瑕疵を把握してから1年以内となっています。
ただし、契約によっては瑕疵担保責任期間が短縮されているケースもあるため、契約書をチェックしてみてください。

 

ちなみに、物件によっては瑕疵担保責任が免責となっているケースもあります。
そのような場合は、買主が自己負担で修理しなければいけません。
売主との間でトラブルを起こさないためにも、契約書はしっかりと確認しておくようにしましょう。

 

不動産会社が直接販売している場合は2年まで責任を負ってもらえる

物件によっては、不動産会社が直接販売している物件もあります。
このような物件を購入した後に雨漏りが発覚した時も、瑕疵担保責任により売主である不動産会社に修理費用を負担してもらえます


ただし、不動産会社が直接販売している場合、買主が請求できる期間は物件の引き渡しから2年間となっています。
この期間は短縮されることはなく必ず2年間となっている点が特徴です。

 

中古住宅で一番多い問題は雨漏り

築年数が古いほど経年劣化しやすいため、中古住宅は特に雨漏りに注意する必要があります。

ここでは中古住宅の雨漏りについて、トラブルの数値や屋根の寿命を解説します。

 

まず最初になぜ中古住宅は雨漏りが起こりやすいのかと言うと、前述したとおり屋根材やサッシなどが経年劣化しているからです。

使用している材質には寿命があり、屋根の場合は大体10年を目安に劣化が進行していきます。

もちろん使用している材質によって変わってきますが、築年数が古い住宅は雨漏りが発生する可能性が高いと考えておいてください。

 

2016年度の「住宅相談統計年報」によると、中古住宅のトラブルは雨漏りが26.5%・ひび割れは11.6%となっています

ひび割れも雨漏りを引き起こす原因になりますから、中古住宅の購入を検討している方は数値も参考にあまり築年数が古くない物件を選ぶか、各箇所の修理やルーフィングを施工するなど検討してみてください。

 

ちなみに素人が見てもわかりやすい箇所は「屋根」と「サッシ周り」です。

屋根はカビや苔が生えていると要注意。

購入する場合は塗装を塗り直すなドメンテナンスをすることで回避できます。

屋根には瓦とスレートの大きく2種類に分けられますが、瓦でも30年も経てば劣化してくるので気をつけてください。

サッシ周りはコーキングの劣化が多く、弾力性がなくなると隙間ができ雨漏りしやすくなります。

指でこすって硬くなっていたりカスが出てきたら劣化を疑っても良いでしょう。

 

実際の中古住宅の雨漏り事例

 

ここでは実際に合った中古住宅の雨漏りについていくつか紹介します。

中古住宅の購入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

木造の中古住宅

築17年の木造住宅のケースです。

割安だったため買い付け申し込みをしましたが、住宅診断士に調査してもらうと外壁の劣化が進行しており補修をしないと危険な状態でした。

 

また外壁面から漏水しており、放置していると腐食やシロアリなどの原因にも。

他にも小屋裏の雨漏りや1階屋根にも雨漏りをした痕跡が残っていました。

安く買い付けを行ったものの劣化している箇所が多く、調査をしていなければ安全に住み続けるのは困難だったでしょう。

 

屋根裏の雨漏り

1階下屋の軒先部分を広範囲に雨漏りの痕跡がありました。

野地板に関しては一部腐食しており、メンテナンスを行った歴もないため雨漏りは進行状態とのこと。

早急に補修を行い雨漏りを止める必要があります。

 

屋根裏の施工不良

屋根部分の施工不良で雨漏りを引き起こす危険性があります。

確認されたのは屋根裏の施工不良です。

天井断熱材が設置されていない箇所があり、何れ不具合が生じる危険性があります。

ただ屋内側の壁紙に結露の痕跡はなかったので、すぐに欠損部分を補えば良い状態に戻ります。

 

賃貸住宅での雨漏り

では、賃貸住宅で雨漏りが生じたときはどうでしょうか。

詳しくは、こちらの記事をご参照ください。

賃貸住宅で雨漏りが発生したときにやること

 

中古マンションの雨漏りは基本的に売主に責任あり

いかがでしたでしょうか?この記事を読んでいただくことで購入後の物件で雨漏りがあった際の責任の所在についてご理解いただけたと思います。
瑕疵担保責任により基本的には売主に責任がありますが、免責されているケースがあるほか、修理費用等の請求期限もあるため、必ず契約書を確認しましょう。

 

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